革靴製造のメッカである英国のなかでも、特に長い歴史を持つ名門ブランド「トリッカーズ(Trickers)」。日本では特にカントリーシューズに人気が集中しているが、その技術はローファー製造にも活かされている。今回はトリッカーズのローファーにフォーカスし、おすすめのモデルについて紹介!
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伝統製法による高水準な靴作りを貫く王室御用達ブランド「トリッカーズ(Trickers)」
トリッカーズは、1829年にジョセフ・トリッカー(Joseph Tricker)氏によって設立された老舗シューメーカー。実に2世紀近く、5世代に渡りハイクオリティな革靴の数々を生み出し続けている。故ダイアナ妃がトリッカーズの靴を愛用し、チャールズ皇太子にトリッカーズ製ルームシューズを薦めた逸話はあまりにも有名。それがきっかけとなり、トリッカーズはロイヤルワラント(英国王室御用達)の称号を授かる革靴ブランドとなった。トリッカーズではブランドロゴとともに、3本の鷲の羽をデザインしたロイヤルアームス(王家の紋章)が掲げられている。
そんなトリッカーズが、老舗ならではの伝統として守り続けているのが「ベンチメイド」と呼ばれる製法だ。本来靴の製造は、工程によって担当を分けるのが一般的。ところがベンチメイドの場合、熟練した職人が一人で同じ「ベンチ」に座り、一足の靴に対して最初から最後まで作り上げていく。一足の靴を完成させるまでにかける工程は実に200。職人の情熱が伝わるその製造手法こそ、長年にわたり世界的に愛用され続ける理由の一つである。
トリッカーズのローファーを選ぶうえで注目したいのが、カントリーシューズ由来のさまざまなディティールだ。質実剛健かつドレッシーにもカジュアルにも履けるウィングチップやカントリーブーツはトリッカーズの代名詞的アイテムだが、ローファー製造でもそのセンスは健在。オールアラウンドグッドイヤーウェルト製法やストームウェルトといった、武骨で機能的なシューズを形づくる技術が採用されたローファーが多く展開されている。もちろん素材には上質なカーフレザーや高級感あふれるスエードを使用。また、存在感のあるソールと相反して細めのシルエットや主張を抑えたサドルなど、バランス感覚に優れたアッパーのデザインにも注目して選びたい。
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