「Z.N.E. HOODIE」に見るadidasの原点と未来

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「Z.N.E. HOODIE」に見るadidasの原点と未来

9月にローンチして以来、快進撃を続けている「ADIDAS Z.N.E. HOODIE」。アディダス ジャパン のアスレチクスカテゴリーで新たな事業としての柱を目指す同ブランドのその内幕について、アディダス マーケティング事業本部ディレクターとしてアスレチクスカテゴリーを統括する磯部 剛氏に話を伺った。

「ADIDAS Z.N.E.」とは?

Z.N.E.」とは、ZERO NEGATIVE ENERGY(ゼロ ネガティブ エナジー)の略称。「 アスリートが試合に向けて”無の境地”に達して集中する」というコンセプトに基づく。「Z.N.E. HOODIE」は、アスリートが試合前やその最中に強大なプレッシャーの下で自らの集中力を維持し、しっかりと精神統一をしながら自身の目標に挑むアスリートのためにデザインされた。”アスリートのパフォーマンスの最大化する”というアディダスのアイデンティティーが色濃く反映されたラインといえるだろう。

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その製品スペックは、アディダスのクラフトマンシップやラグジュアリー感のあるファブリック、こだわりのデザインとディテールなど、アディダスが持つテクノロジーがふんだんに散りばめられている。とりわけ、「Z.N.E. HOODIE」の象徴ともいえる大きなフードは、アスリートが試合前に外部からのノイズを遮断し精神統一を図るためにデザインされたもの。騒音を軽減するためにダブル・レイヤード構造を採用されている。また、素材にはハリ感・ストレッチ性・復元力に優れた「ダブルフェイス ダブルニット」を使用。「ドロップ・ショルダー」という肩のラインを下げたシルエットデザインを採用するなど、快適な着用感と動きやすさを同時に実現するための工夫が随所に凝らされている。デザインから素材に至るまで「アスリートが試合に向けて”無の境地”に達するためのギア」というコンセプトが貫かれている。

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フードは被ったままオーバー・イヤー型ヘッドホンが装着できる仕様になってる。試合前などに音楽を聴くアスリートは多いという。また、自分に暗示をかけるかのように独り言を話すアスリートも多い。そんなアスリートの特性を反映し、ジッパーを上まで上げれば顔の下半分くらいをカバーするので人知れず自分との対話に集中できるようなデザインにもなっている。まさに、試合前のアスリートの心理的なインサイトに根ざしたプロダクトである。

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商品に関するお問い合わせ:アディダスグループお客様窓口 TEL:0570-033-033

Z.N.E.のadidasにおけるビジネス的な位置付けとブランド戦略

———スポーツウェア市場において、アスリートが試合前に向けて集中するためのウェアという新たな市場を切り開きつつある「Z.N.E.」の斬新なコンセプトはどのように生まれたのでしょうか?

磯部氏:「そのためには、アディダスというブランドの本質を知る必要があります。アディダスはアスリートのパフォーマンスブランドです。すべてのプロダクトはそこを起点にして開発されます。アスリートに対して新たに何が出来るかを考えたとき、選手のマインドの重要性がピックアップされ、その議論の中から試合に向けて集中するためのプロダクトというアイディアが生まれた。それが「ADIDAS Z.N.E.」です。」

———9月のローンチ以降、ビジネスは非常に好調だと伺っております。そのブランド戦略と「Z.N.E.」の事業的な位置付けをお伺いできますでしょうか?

磯部氏:「事業的には、ジャージに次ぐ新たな事業的な柱の創出を目指しています。そのブランド戦略も旧来のオールドメディアを中心としたアクティベーションではなく、ほとんどデジタルアクティベーションに集中しました。とりわけ、SNSにおけるコンテンツ投稿に力を入れました。それが功をなしたのか、「SNSを見て買いに来た」という顧客の声が非常に多かったですね。」

———InstagramをはじめとするSNS活用がアパレル業界でも定着しつつありますが、理想的な成功事例ですね。

磯部氏:「正直、猛暑が続く9月前半というローンチタイミングや販売期間が短い秋冬のプロパー商品という懸念はありましたが、その不安を払拭するかのようにとても好調な売上はキープしながら目標をアチーブし続けています。また、売場の反響もとても大きいです。」

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アスリートの移動をコンセプトにした「Z.N.E.TRAVEL HOODIE」が登場

アスリートは日常的に移動がとても多い。その間でのストレスを解消することをコンセプトにしたリラックスウェアが「Z.N.E.」に新たなラインナップとして追加される。ホテル/自宅から試合会場までの移動シーンなどを想定してプロダクトを設計しているという。

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機能性あるパターン袖付け部分をラグラン切り替えにし、動きやすさを上げる。

通常の「Z.N.E. HOODIE」同様、フードが大きく、オーバー・ヘッド型のヘッドフォンをかけながらでも被ることができる。フード内側にオリジナル機能素材を使用することで保温性と快適さをアップ。見頃はバイアスに地の目を取り、視覚効果でスリムに見える。ラグランの野暮ったさをカバーするため、身頃部分に切り替えを入れたスタイリッシュなデザインが特徴。

右のフロントに二重ポケットをはじめとしてポケットが多数搭載されているために必要なものを全てこのフーディーに収納して手ぶらで移動できる。隠しポケットにはクレジットカードやパスポートなどがすべて入る収容力を誇る。

商品に関するお問い合わせ( アディダスグループお客様窓口 TEL:0570-033-033 )

パフォーマンスアイテムのみに付与が許される「バッチ・オブ・スポーツ」のロゴ。「Z.N.E.」がアディダスの正統なパフォーマンスラインであることを証明している。

磯部氏率いるアスレチクス カテゴリーとは?

磯部氏は2001年新卒で入社。7年間営業を担当した後にスポーツ スタイル部門に配属。アスレチクスは2年前から担当している。元々トレーニングのカテゴリーがあり、昨年からアスレチクスとトレーニングの二つのカテゴリーに細分化されたという。その背景には、近年のスポーツスタイルの浸透と多様化がある。アスレジャーに代表されるようにその間口が拡大する一方で、”腹筋女子”というトレンドワードに象徴されるように、より本格的なワークアウトを志向する人々が男女問わず増えている。そんな市場の要請に合わせてより細かいシーン想定に基づいたプロダクト開発が求められるようになった。磯部氏はアスレチクスカテゴリーについて次のように説明する。「新たなにできたアスレチクスカテゴリーはアスリートが試合が行われるまでの工程、例えば試合のピッチに立つまでの間やロッカールームなどで、リラックスや集中力を高めるためのウェアの開発をコンセプトにしています。アスレジャーではなく、あくまでアスリートのパフォーマンスを高めるために開発したウェアというコンセプトが重要。その部分こそがアディダスのアイデンティティーでもあります。近年、ファッション文脈においてアディダスはとても人気がありますが、それはアスリートにとって見た目も含めた機能美を突き詰めた結果です」と磯部氏は言う。

すべてのアスリートためのブランドとしての原点回帰

編集部:「最後に、アディダスというブランドが今後どのようなブランドを目指していくのかお伺いできればと思います。」

磯部氏:「今日、オリンピックやワークアウトやランなどのブームなども後押ししてスポーツは特別なものではなく、誰もが親しめるカルチャーとして定着しており、パフォーマンスブランドとしてのアディダスが受けいれられる土壌が既にあります。そんな時代性を背景にこれまで以上にアスリートのためのパフォーマンスブランドという原点からぶれずに進化していきます。そのために、様々なプロダクトや顧客接点を通じてアスリートの向上のコンセプトや場所をつくっていきたいですね。」

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