
夏の服は、収納が少ない。Tシャツにポケットはなく、シャツも薄手で、多くを持たせられない。冬のように、コートやジャケットの内側に荷物を分散させることもできない。持ち物を託す先が、必然的にバッグひとつに絞られる季節だ。
だからこそ、夏のバッグは荷物入れである以上の装飾的な役割まで担う。ここでは、着こなし上手な洒落者たちの実例から見えてきた、夏バッグ選びの5つの法則を紹介していく。
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薄着の夏こそ、バッグの存在感が着こなしを左右する
装飾が少ない夏コーデでは、バッグが視界に占める割合も自然と大きくなる。バッグは、色や素材の選び方次第で全身の見え方を大きく左右する存在だ。たとえば、白Tシャツと黒パンツのシンプルな着こなしに黒のナイロンバッグを合わせれば、軽快で都会的な印象にまとまる。同じ服でも、使い込んだブラウンレザーのバッグに替えれば、装いに重厚感や色気が加わるだろう。バッグを替える行為は、単に小物を交換するのではなく、コーデの一部を着替えることに近い。
洒落者から学ぶ夏コーデを格上げするバッグ選びの5つの法則
バッグ選びの法則1無地の服には、表情のある素材を合わせる
Tシャツや無地シャツを軸にした夏コーデは、色を増やさなくてもバッグの素材を変えるだけで奥行きが生まれる。シボのあるレザー、色ムラが現れたスエード、粗い織り目のキャンバス、編み地が見えるメッシュなど、表面に陰影のある素材が効果的だ。例えば、下のコーディネート。白〜ベージュのグラデーションを表現した簡潔な装いに、シボの凹凸が豊かなレザーバッグを合わせている。革に現れた濃淡や艶が視覚的な情報を補い、服の色数を増やさずに存在感を高めた着こなしの好例だ。白Tシャツや無地シャツの着こなしが物足りなく見えるとき、まずはバッグの表面に、服にはない凹凸や風合いを求めることも選択肢として検討してみて欲しい。
バッグ選びの法則2淡色コーデには、バッグで温度を加える
白、生成り、ライトグレー、ベージュでまとめた装いは、清涼感がある一方で輪郭がぼやけやすい。黒いバッグで強く引き締める方法もあるが、夏らしい柔らかさを残すなら、ブラウン、キャメル、オリーブ、グリーン、マスタードといった温度を感じさせる色が使いやすい。淡いグレーベージュのスーツにブラウンレザーのトートバッグを合わせたこちらのコーディネートでは、寒色寄りの服装へ暖色を加えて着こなしに心地良いコントラストを生み出している。
このコーディネートでは、オリーブ系のリネンジャケットに発色の良いイエローのトートを投入。服と近い温度感を持つ色を選びながら、明度差によってバッグを際立たせ、アクセントとして機能させている。
バッグ選びの法則3きれいめな服には柔らかなバッグ、ラフな服にはレザーを合わせる
あえてコーディネートのテイストとは逆の要素を加え、ドレスとカジュアルのバランスを整える役割をバッグに担わせるのも一手。スーツやテーラードジャケットに硬いブリーフケースを合わせれば、いかにもビジネスという印象が強まる。少し力を抜いた印象にまとめたい場合は、キャンバストートや芯材を抑えた柔らかなレザーバッグが有効だ。ダークブラウンのスーツに生成りのトートを合わせたこちらのスタイリングでは、装いの品格を保ちながら、軽やかさを引き出している。
反対に、Tシャツやワークジャケットなどのカジュアルな服には、レザーバッグで品格を補いたい。例えば、グレージュのTシャツとデニムパンツに大ぶりなレザーバッグを合わせた下の着こなし。服自体の軽さを革の重厚感で受け止め、バランスの良い品あるカジュアルスタイルにまとまっている。
バッグ選びの法則4服の分量に合わせて、バッグの大きさを決める
バッグの印象を決めるのは、色や素材だけではない。全身との対比で生まれる“面積”も重要な要素だ。ワイドパンツやオーバーサイズのシャツ、ゆったりとしたジャケットには、一定の大きさを持つバッグがなじみやすい。
べオーマの鞄25万3000円(フレーム 青山 080-4729-1485)ジェントルマンプロジェクトのスラックス3万3000円(https://www.gentleman-projects.com/)ビルケンシュトックのサンダル2万4200円(ビルケンシュトック・ジャパン カスタマーサービス 0476-50-2626)
服にボリュームがある一方でバッグだけが極端に小さいと、全身で見た際に存在感が薄れ、シルエットの均衡が崩れやすい。実際、ワイドシルエットのパンツが主流となった昨今のスナップでは、中型〜大きめのバッグを選ぶ洒落者の姿が目立つ。
バッグ選びの法則5色、素材、形のすべてを主張させない
存在感のあるバッグは、必ずしも派手とは限らない。色、素材、サイズ、形のすべてに迫力を持たせたバッグを選ぶと、服装との関係が薄れ、バッグだけが浮いて見える場合がある。スタイリングに取り入れやすいのは、主張させる要素を1つか2つに絞った洗練バッグだ。鮮やかな色を選ぶなら形は簡潔にする。大きなサイズを持つなら服になじむ色を選ぶ。素材に強い表情がある場合は、装飾の少ないデザインが使いやすい。ブルーを重ねたスタイリングにベージュのキャンバストートを合わせたこの着こなしでは、バッグのサイズには存在感がある一方、色と形は控えめ。バッグそのものを見せつけるのではなく、ブルーの装いを引き立てる材料として機能させている。
バッグを主役にする場合も、全身の中で何を目立たせたいかを決めておきたい。コーディネートに取り入れるすべての存在感を強くするのではなく、服とバッグのどちらかに引き算の余地を残すことが、洗練された印象につながる。
手持ちの夏服から逆算バッグは何を買うかより、何を補いたいかを先に考える
バッグを選ぶときは、トート、ボストン、ショルダーといった形から考え始めるよりも、普段の服装に何が不足しているかを整理する方が失敗しにくい。白Tシャツや無地シャツが多いなら、シボ革やスエードなど、素材に表情のあるバッグが候補になる。白やベージュの服が中心なら、ブラウンやグリーンで温度を加えると洒脱な印象がグッと高まる。ワイドパンツをよく穿くなら、服の分量を受け止められる大型トートやボストンバッグが有力候補になるだろう。
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ジャケットスタイルを軽く見せたい場合は、キャンバスや柔らかなレザートートが有力だ。反対に、Tシャツやデニム中心の装いを大人らしく整えたいなら、端正なレザーバッグが選択肢に。品を維持しながらストリートの味付けをするなら、下のスナップで選ばれているAnother Chanceのようなアップサイクル系ブランドのバッグも悪くない。バッグ単体の格好良さに加えて、いつもの服に何を加えられるかまで考える。それが、夏コーデを確実に格上げするバッグ選びの基準となる。
Q&A夏バッグ選びで迷いやすいポイント
Q1.バッグの色は、靴やベルトと揃えるべき?必ず同色で統一しなくともOK
例えばブラウンのバッグに黒い靴を合わせても、服を含めた全体の色数が整理されていれば違和感は生まれにくい。厳密な色合わせよりも、バッグだけが全身の配色から孤立していないかを確認するのが重要だ。色を揃える場合も、完全な同色ではなく、明るさや素材感を少し変える方が自然にまとまる。
Q2.夏にレザーバッグを持つと重く見えない?色とデザインを選べば、レザーでも重く見えにくい
ブラックの硬いレザーは重厚な印象が出やすいが、ブラウン、キャメル、グレージュなどの明るい色や、柔らかな革質なら夏服にも馴染みが良い。シンプルな服に奥行きを足したい場合、レザーの重厚感は強みとなる。
Q3.荷物が少なくても、大きなバッグを選んでよい?荷物量だけでなく、服の分量との相性で決めよう
ワイドパンツやオーバーサイズのトップスには、大きなバッグが全身のバランスを整えやすい。ただし、中身が少なすぎて形が崩れるバッグはだらしなく見えやすいのでご注意を。荷物が少ない場合は、空の状態でもフォルムを保ちやすい素材や設計を選ぶのがおすすめ。




























