
起毛した暖かみのある素材が秋冬らしい季節感を醸す「コーデュロイパンツ」。色味やシルエットはもちろんのこと、畝の太さ・細さによっても生地の表情は全く異なり、選択肢も幅広い。今回はそんなコーデュロイパンツをテーマに、着こなしのコツや旬なストリートスナップをピックアップ!
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畝が並ぶ唯一無二の生地コーデュロイパンツの“コーデュロイ”とは?
コーデュロイとは素材の名前で、縦方向に連なる畝状のパイルを持つ綿主体の厚手の織り物。ベルベットやベッチンのように起毛しており、それらと同様に「フスティアン」という系統の生地に分類されている。日本では「コール天」と呼ばれることも。秋冬の服によく採用されていることからも分かるように、保温性に優れているのが特徴。この保温性は、起毛した畝が空気を多く抱え込むため。見た目も暖かみがあり、コーデに季節感をプラスできる。また、角度によって畝に陰影が生まれ見え方が変わる、立体感のある見た目もコーデュロイの特徴のひとつだ。
なぜパンツで花開いたか?コーデュロイという素材が持つ必然性
加えて、耐久性に優れているというのもコーデュロイの長所。このことから、摩擦が激しい椅子の座面など、家具に使われることも多い。服としては、耐久性・保温性に優れていることから、ワークウェアに採用されたのが始まりで、18〜19世紀の農工労働者の作業着や制服において広く採用された。工場や鉱山、農地の寒冷環境に強く、耐久性にも優れ、汚れても手入れが簡単という実利性において優れていたのも評価されていたポイント。中でも、膝や臀部、裾に摩擦が起きやすい作業用のボトムスにコーデュロイ素材は適しており、ワークパンツの生地として重用された。
音楽、映画カルチャーによるファッション性の付与ワークアイテムであり、野暮ったい印象も強かったコーデュロイパンツがファッションパンツに
19世紀後半〜20世紀初頭になると、産業革命期の英国 マンチェスターで量産体制が整い、コーデュロイは耐久と保温を武器に工場労働者の装いとして定着した。この産地の歴史から、ヨーロッパでは今でもコーデュロイを「マンチェスター」と呼ぶことが多い。量産されたことで、農工労働者以外の層にも少しづつ広がっていき、日常着としてのポジションを獲得する。そして60年代後半になると、肌ざわりと万能性が評価され支持が急伸。英国では音楽シーンの影響も大きく、ビートルズのメンバーがコーデュロイのアイテムを身につけたことで人気が上昇し、当時のタイムズ誌の報道では「ビートルズが英国のコーデュロイ業界を救った」との言及が残る。映画でもスティーブ・マックィーンやポール・ニューマンらが着用し、ワーク由来の生地が大衆的な憧れへと接続された。70年代はフレアのトラウザーズやテーラードのセットアップまで展開が拡大し、色もアーストーンから鮮色まで多彩に普及。70年代のトレンド回顧でも、コーデュロイは時代を象徴する素材として再三取り上げられている。
90〜2010年代は、映画『リプリー』などの映像作品で“上品なラフさ”を付与する記号として機能。また、映画監督ウェス・アンダーソンの知的な作家性と結びつくことで、コーデュロイはインテリジェンスや温度感を演出するテクスチャーとして再定義された。ちなみにウェス・アンダーソンが「一年のうち200日は着る」と語るキャメル色のセットアップは、その象徴である。
最近では2021年の『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』でダニエル・クレイグが、Massimo Albaのニードルコーデュロイスーツを着用。スパイ像の“非軍装化”と人間味の演出に資する衣装設計として語られ、コーデュロイは改めてラグジュアリーな正統派の選択肢へと格上げされた。
畝の太さでどう違う?太畝コーデュロイと細畝コーデュロイ
コーデュロイの畝は、太さによって印象が変化する。太畝の場合は武骨でカジュアルな印象に、細畝の場合は繊細で上品なイメージに。定石で言えばカジュアルスタイルに太畝、キレイめスタイルに細畝という合わせが鉄板だが、逆の組み合わせだからといって違和感が生まれることはないため、基本の考え方として押さえつつ、自分なりのコーディネートを楽しんでみてほしい。(写真左:太畝、右:細畝)
コーデュロイパンツ コーデの方向性1カジュアルに振るならアウトドアやワーク、ミリタリーと相性よし
ワークウェアとして生まれ、ハンティングジャケットなどの素材にも使われてきたコーデュロイは、アウトドアやワーク、ミリタリースタイルなどのタフなイメージのカジュアルスタイルと相性バツグン。スウェットパーカーにダウンベスト、コーデュロイパンツ、ブーツを合わせたアウトドアコーデや、ワークジャケット・ミリタリージャケットに合わせた男らしいスタイルなど、秋冬のカジュアルスタイルで使いたい。カジュアルで使うなら、ワイド・ルーズシルエットのコーデュロイパンツで今っぽさも加味してみて。
コーデュロイパンツ コーデの方向性2ジャケパン、ドレス系コートに合わせたキレイめスタイル
チェスターコート、ステンカラーコートなどの外套類や、ジャケパンのボトムスとしても使える懐の広いコーデュロイパンツ。先に紹介したウェス・アンダーソンが好んで着ているように、スーツの素材にも使われることも。そういったキレイめコーデで使う際は、細畝の素材を選ぶか、スラックスのようにセンタークリースが入ったドレッシーなもの、テーパードが効いていて品のあるルックスにデザインされたものを選ぶのがおすすめだ。
おすすめコーデュロイパンツ1RALPH LAUREN「Polo プレップスター コーデュロイ イージーパンツ」
コーデュロイのアイテムを探すとなれば、ラルフローレンはまず外せないだろう。複数のコーデュロイパンツを展開する中で、一番売れ筋のモデルがこちら。伸縮性のあるシャーリングにドローコードが付いたイージー仕様で、フィッティングもリラックスしたシルエットの、快適性を追求したアイテムだ。
おすすめコーデュロイパンツ2Seagreen「OG CORDUROY LOOSE PANTS」
ジーンズのディテールをベースに作られたルーズシルエットのコーデュロイパンツ。ゆったりとしたサイジングが今っぽく、コーデュロイパンツでモダンな着こなしを表現するのにぴったりな一本だ。希少な超長綿のオーガニック糸を使用しており、柔らかさと上品な光沢を両立した高級感のあるコーデュロイ生地も◎
おすすめコーデュロイパンツ3BERWICH「SCOTCH」
ジャケットなどに合わせるドレッシーなコーデュロイパンツなら、ドレスパンツを得意とするパンツ専業ブランドを頼るのが正解。ベルウィッチはひとつのモデルで様々な素材展開を広げることを得意としており、こちらはブランドの一番人気とも言えるモデル「SCOTCH」のコーデュロイ版だ。2プリーツが入ったサイドアジャスター仕様のクラシカルなスラックスで、美しいテーパードデザインが人気。高級なコーデュロイ生地を乗せることで、エレガントなコーデュロイパンツに仕上がっている。
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