
未加工の状態からオリジナルの一本を育てられるのが魅力のリジッドデニム。理想の育て方や選ぶモデルによって、ファーストウォッシュや乾燥方法の正解が変わってくる奥深い存在だ。今回は、リジッドデニムの基礎知識から代表的な洗い方と乾燥方法、さらに定番ブランドのおすすめモデルまで解説する。
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リジッドデニムとは?織り上げた後にウォッシュや乾燥などを施していない未加工状態のデニム
リジッドデニムは、織り上げた後にウォッシュや乾燥などを施していない未加工状態のデニムを指す。英語で「硬い」を意味するリジッド(Rigid)という言葉の通り表面には糊が残り、ハリのある風合いに仕上がっているのが特徴だ。インディゴの色味も深く残っているので、引き締まった表情となっている。また、いわゆるユーズド加工デニムのように、初めから完成された表情を備えているわけではない。穿き込む人のライフスタイルやケア方法に応じて、オリジナルの一本へ育っていくのが、リジッドデニムならではの醍醐味だ。
リジッドデニムの優位性とワンウォッシュとの違いは?ゼロから自分好みのジーンズへと育てる楽しみと硬くてハリのある生地の表情
ワンウォッシュデニムとは、その名の通りリジッドデニムに一度洗いをかけた状態で販売されているデニムのこと。購入後に大きな縮みが発生することはなく、サイズ変化という観点では洗濯や乾燥に神経質になる必要がない。それに加えて、リジッドデニムと同様にヒゲやアタリなど自分らしいデニムに育てられるのも利点だ。ここまで聞くと「それならリジッドデニムではなく、ワンウォッシュを選べば良いのでは?」と思う方も多いはず。その感覚は正しく、縮みやサイズ選びの不安を軽減するなら、ワンウォッシュを選ぶのが合理的だ。
それでもリジッドデニムが選ばれる理由は、ゼロから自分好みの一本へ育てていけること。また、ワンウォッシュとは明らかに異なる未加工ならではの表情にもある。表面に糊が残った硬くハリのある生地感、深く沈んだインディゴの色味は、ワンウォッシュデニムにはない魅力。そんな風合いを楽しみながら穿きたい方にとっても、リジッドデニムは有力な選択肢になる。
リジッドデニムの購入前にチェック!リジッドデニムの育て方を左右する防縮加工の有無
リジッドデニムを購入する時点で必ずチェックしておきたいのが防縮加工の有無。これにより、サイズ選びやファーストウォッシュ、乾燥の方法が変わってくる。ここでは、リジッドデニムに施されている防縮加工の代表格sanforized(サンフォライズド)加工の有無による違いを整理していく。
LeeとWranglerが先駆者!?縮みにくく、扱いやすいサンフォライズド加工が施されたリジッドデニム
1930年にサンフォード・L・クルエットによって実用化されたサンフォライズド加工とは、洗濯後の縮みを抑えるための防縮加工のこと。サイズ変化を読みやすくできるため、リジッドデニムの扱いやすさを大きく引き上げた技術と言えるだろう。サンフォライズド加工が施されたリジッドデニムは、ファーストウォッシュと乾燥を経たあとに過度な縮みを警戒し続けなくていいのが利点。縮ませるのを目的に、何度も洗濯と乾燥を繰り返したりする必要は基本的にないため、過度なねじれや予想外の寸法変化も避けやすい。
例えば、ラングラーは公式ヒストリーで「1936年に100%サンフォライズド生地を用いたSuper Big Ben Overallsを発表し、縮みを1%未満に抑えることで業界の新たな基準を打ち立てた」と紹介している。また、ジーンズはボタンフライが当たり前だった当時、リーの「101Z」を代表するジップフライ付きジーンズが登場した背景には、こうした防縮加工技術の広がりがあったからと考えられる。
Levi's®の代名詞!?縮みやすいからこそ身体に合わせて育てられる未防縮加工のリジッドデニム
サンフォライズド加工が施された一本とは対照的に、防縮加工が施されていないリジッドデニムは、ファーストウォッシュとその後の乾燥により大きく縮む。アタリやヒゲがはっきり出たあとに洗うと色落ちした位置がずれてしまうので、リジッドの状態でずっと穿き続けるつもりでない限り、基本的には購入後の早い段階でファーストウォッシュを行い極限まで縮めたい。また、縮み幅が大きいので、一度の自然乾燥では縮み切らないケースが多々あり、乾燥機を複数回使う愛好家も少なくない。乾燥機にかけたことで生まれる毛羽立ちや、ステッチまわりのうねりまで含めて楽しむのも、未防縮リジッドならではの醍醐味だ。
そんな未防縮加工のリジッドデニムの象徴がリーバイスの「Shrink-To-Fit」だ。これは“大きく縮んでしまう”ことをデメリットとするのではなく、“自分の体にあわせて育てる”という楽しみに置き換えている。映画『さらば青春の光(1979年)』にて主人公のジミーが、リーバイスのリジッドジーンズを穿いたまま浴槽に入り、そのまま乾かして自身の体型に合わせて縮ませるといった方法はブランド公式でも案内されている。
リジッドデニムを育てる上で日頃のケアはもちろんだが、その中でもファーストウォッシュとその後の乾燥方法が重要になってくる。ここからは多くの方が実践しやすいファーストウォッシュと乾燥の方法を紹介する。
リジッドデニムのファーストウォッシュ手洗いか洗濯機の2軸が基本!
ここからはリジッドデニムを育てる上で重要なファーストウォッシュの方法について解説。基本的には手洗いと洗濯機の2軸であり、ノリをなるべく残してリジッド感を保ちたいなら手洗い、手軽さを重視するなら洗濯機だ。
リジッドデニムのファーストウォッシュ【手洗い編】糊とインディゴの流出を最小限に抑えてリジッドに近い表情を保てる!
生地への負担を抑えられ、極端に糊やインディゴが流れてしまうリスクを軽減できるので、リジッドデニムの風合いをなるべく保ちたい場合は手洗いがオススメだ。洗い方は以下の通り。
1.水かぬるま湯に浸す
デニムがしっかり浸かる大きさのたらい、あるいは浴槽に水を張り、少量の中性洗剤を溶かす。水温は、糊をしっかり落とすのが目的なら40度程度、色落ちを最小限に抑えてリジッドの風合いを保ちたい場合は30度程度が最適だ。
2.こすらず押し洗いする
洗う前にまずは、洗浄中の摩擦による不要な色落ちを抑えるためにデニムを裏返してほしい。デニムを水に沈めたら、揉んだりこすったりはせず、やさしく押し洗いしていく。力を入れて生地同士を擦り合わせると、不自然なアタリやシワの原因に。押し洗いは5分程度を目安に短時間で済ましてほしい。
3.すすぎも短時間で終える
すすぎも押し洗いと同じように行ってほしい。洗剤が残ると生地が傷む原因となるので重要な工程だ。洗剤の泡が出なくなるまで、何回か水を替えながら流してほしい。ただし、ここでも押し洗いの行程と同様に時間をかけすぎないのがポイントだ。
リジッドデニムの洗い方【洗濯機編】いつもの洗濯に近い感覚で手軽に行える!
手軽さを優先するなら、洗濯機を使うのもアリ。手洗いと比較すると糊とインディゴは流出するが、洗い方を間違えなければ、今後のエイジングの影響には基本的にはならない。
1.裏返して洗濯ネットに入れる
洗濯機で洗う場合も、まずは裏返し、畳んだデニムを洗濯ネットへ入れてほしい。ネットの中でデニムが動くと摩擦やネジレの原因となるので、できるだけ収まりのいいサイズを選ぶのがポイントだ。
2.弱水流のコースを選ぶ
洗濯機は、標準コースのような強い水流ではなく、ドライコースや手洗いコース、おしゃれ着コースのように、できるだけやさしく洗えるモードを選ぶのがポイント。強い水流は糊やインディゴを必要以上に落としてしまったり、シワやネジレの原因となる。
3.脱水は1分以内に
洗い以上に気をつけたいのが脱水だ。強い遠心力は生地への負担や型崩れにつながりやすく、ねじれや不要なシワの原因にも。水が滴るくらいの状態で問題ないので、最長1分程度にとどめてほしい。
リジッドデニムの乾燥方法自然乾燥か乾燥機を使用するか
リジッドデニムの乾燥方法は、自然乾燥と乾燥機の2つに分かれる。一度でどのくらい縮ませたいか、どんな表情を残したいかで方法が変わる。自然乾燥は生地への負担を抑えやすく、乾燥機は縮みをしっかり出しやすい。それぞれの特徴を理解し、狙う仕上がりに応じて使い分けたい。
リジッドデニムの乾燥方法【自然乾燥編】インディゴの流出を抑え、シワやネジレが発生する可能性を軽減できる!
自然乾燥の最大のメリットはシワやネジレの発生を防ぎ、インディゴの流出も抑えられる点。しかし、未防縮加工のリジッドデニムでは、一度の自然乾燥では縮みきらないこともあり、2回目以降の洗濯・乾燥でさらに全体の寸法が変わったり、ヒゲやアタリの位置がずれたりすることもある。
1.形を整える
膝裏や股、裾の部分などのシワを伸ばし、両脇のシームや内側をまっすぐに伸ばしてねじれを解消する。
2.オススメは「筒干し」
ウエスト部分を広げて筒状になるように干す「筒干し」がオススメ。ピンチハンガーを使い、ウエスト部分を円形に広げて留めることで、内側まで風が通り、素早く均一に乾かすことができる。筒干しが難しい場合は、裾を挟んで逆さに干す「逆さ干し」も有効だ。デニムの重みでシワが伸び、たるみなどが解消される。
3.風通しのいい場所で陰干しする
デニムを干す場所は、直射日光が当たらない風通しの良い場所。インディゴは紫外線に弱いので、直射日光に当てると短時間で色褪せや変色が発生する恐れがある。
リジッドデニムの乾燥方法【乾燥機編】縮みをしっかり出したいときに最適な選択肢!
乾燥機のメリットは、短時間でしっかり縮みを出せる点。購入後の早い段階でサイズを安定させたい方や、その後の洗濯で予想以上に縮むリスクを減らしたい方にとって有力な選択肢に。とくに未防縮加工のリジッドデニムを育てる方にはオススメだ。一方、乾燥機の熱や回転により、過度なネジレや、不自然なアタリやシワ、生地表面の毛羽立ち、ステッチまわりのうねりが発生する場合も。
1.裏返したまま乾燥機へ入れる
洗濯のときと同様に裏返した状態で乾燥機に入れる。
2.1度で40〜60分ほどが目安
まずは40〜60分ほど目安に乾燥機をかける。ウエストや丈の長さなど乾燥機をかける前に寸法を測っておき、想定より縮まなかった場合は、もう一度乾燥機をかける。
ジーンズの定番ブランドから厳選!おすすめのリジッドデニム5選
オススメのリジッドデニム1Levi's®「501® ORIGINAL ジーンズ RIGID」
ジーンズを代表する定番モデル「501」がリジッド仕様となった本作。防縮加工が施されていないので、洗濯により、最大で10%の縮みが発生する。リジッドデニムを育てる醍醐味が詰まった一本だ。
オススメのリジッドデニム2Lee「AMERICAN RIDERS 101Z ストレートジーンズ」
ブランドの代表作「101Z」は、ジェームス・ディーンが映画『理由なき反抗』で着用した事で一躍有名になったモデルだ。こちらは日本製となっており「101Z」をモダンにアレンジ。サンフォライズ加工が施されているので、ファーストウォッシュ後の縮みは、ウエスト約1.0cm、股下約0.5~約2.0cm前後となっている。
オススメのリジッドデニム3Wrangler「ARCHIVE 11MWZ 1964 MODEL」
こちらは「10MW」の後に誕生し、約1年のみ生産されたモデル。501XXを彷彿とさせる10MWの意匠を受け継いだブランドの中では異端とも言える存在である。本作にもサンフォライズが施されているが、洗濯によりウエスト約3.0cm、股下約3.5cm前後縮みが生じる。
オススメのリジッドデニム4A.P.C.「Fairfax ジーンズ」
本作は2024年よりブランドのデニムラインナップに定番として仲間入りしたモデル。細身のジーンズを多数展開するブランドとしては珍しいエクストラワイドシルエットの日本製ノンウォッシュインディゴデニムだ。
オススメのリジッドデニム5DENHAM「MADE IN JAPAN DENIM JUMBO MIJ V」
デンハムのジャンボは、ゆとりのあるワイドシルエットでラフなスタイリングを楽しめるモデル。アイコニックなシザーロゴのポケットスレーキや刺しゅうがイイ感じのアクセントとなっている。































