
革ジャンの愛称で親しまれるレザージャケット。今回は、人類と革衣服の関係性をひもときながら、ライダースジャケットとフライトジャケットが誕生してからファッションシーンで愛されるまでの歴史を解説する。そして最後には革ジャンをお洒落に着こなすためのヒントを、注目のコーデ&おすすめモデルと併せて紹介!
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人類と革衣服の歴史約4万年前から現代ファッションの基盤が完成するまでの系譜
現在、確認されている人類最古の革衣服は約4万年前。人々は狩猟で得た動物の皮をなめし、寒冷や摩耗から身を守る“第二の皮膚”としてまとっていた痕跡が発見されている。中世には戦場での防護服として活用され、キュイール・ブイイと呼ばれている硬化処理を施した革鎧は、兵士の装備を支えた。
近代になり、銃火器の登場によって革鎧はその役割を失う。やがて上流階級の間で、乗馬や狩猟の際に摩擦や泥、風を防ぐための機能素材として重宝されるようになった。18〜19世紀には産業革命の影響によりクロム鞣しが実用化。柔軟で耐久性の高いレザーが大量生産可能となる。
機械文明の発展によって飛行機やオートバイが登場すると、革は再び“実用品”として進化の舞台に立つ。その代表格が、航空服として進化を遂げたフライトジャケットと、オートバイ文化の中で生まれたモーターサイクルジャケットだ。この二つこそが、現代のファッションシーンにも続く「革ジャン」の原型である。
現代ファッションにつながる革ジャンは「フライトジャケット」と「ライダースジャケット」の2軸でスタート
現代のファッションにも続くミリタリー系レザーアウターの元祖は、第一次世界大戦期に誕生したフライトジャケットだ。当時はまだプロペラ機の時代であり、気密性のないコックピットでは高高度の寒さが操縦士を襲った。その極限環境に対応するため、シープスキンから作られる軽量で柔軟なケープスキンレザーが採用され、耐久性、防風性、保温性を兼ね備えた飛行服が誕生した。1927年には、米国陸軍航空隊がA-1ジャケットを制式採用。ラップアラウンドカラー、ウィンドフラップ、ぴったりとした袖口、ウエストバンドを備えたその構造は、のちにボンバージャケットと呼ばれるスタイルの原型だ。
その翌年、1928年にはニューヨークでIrvingとJackのショット兄弟が設立したSchottが、ハーレーダビッドソンのために世界初のジッパーフロントを採用したモーターサイクルジャケット「Perfecto」を発表する。このモデルは、革ジャン史における一大転機であり、道路を疾走するための防具としてのレザージャケットがここに確立した。
1931年には航空隊が操作性の向上を目的にA-1を改良したA-2ジャケットを導入。フロントはジッパー、襟はポイントカラーに変更された。さらに1934年には、米国空軍はSchottにフルレザー構造の極寒環境に対応するジャケットの製産を依頼。そうして、襟にバックルを装備し、裏地にムートンの毛皮を使用したB-3ジャケットが誕生した。この時代に誕生した、フライトジャケットとモーターサイクルジャケットという2軸が、現代のファッションにつながる革ジャンを確立したのである。
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