
圧倒的な存在感の中に男らしさと大人の貫禄を醸すエレガントな冬アウター「ムートンジャケット」。その裏側には、人類の防寒事情を支えてきた数千年の歴史と、極限状態で磨かれた機能美が隠されている。今回はそんな「ムートンジャケット」にフォーカスし、ルーツを辿りながら着こなし事例を紹介!
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狩猟時代から着続けられる「天然の防寒具」ムートンジャケットとは?
レザーウェアの歴史は、衣服の歴史そのものと言っても過言ではない。人類が狩猟によって食糧を得ていた原始の時代、厳しい冬の寒さから身を守るために真っ先に手に取ったのが、動物の毛皮をそのまま纏うという選択だった。特に羊の毛皮(シープスキン)は、毛の間に大量の空気を含むことで驚異的な断熱材となるだけでなく、湿気を吸い取り放出する「天然のエアコン」のような機能を備えている。数千年もの間、形を変えながらも冬の防寒具として生き残り続けてきたのは、いかなる化学繊維も及ばない、自然が完成させた究極のスペックがあったからに他ならない。
高度1万メートルで証明された「最強」の称号ファッションギアとして格上げされたのはミリタリーでの採用
原始的な防寒具だったムートンを、現代的な「ファッションギア」へと昇華させたのは、20世紀の軍事テクノロジーだった。1930年代、爆撃機がより高く、より遠くへ飛ぶようになると、兵士たちはマイナス30度にも達する高空の極寒と戦わなければならなかった。暖房設備のない当時のコックピットにおいて、唯一信頼されたのが、肉厚なシープスキンを使用したフライトジャケット「B-3」である。空の戦場という極限状態において、命を守るための「装備」として再定義されたことで、ムートンは「タフな男の象徴」としての揺るぎないアイデンティティを確立した。戦後、映画スターたちが銀幕でこれらのジャケットを纏い、武骨な魅力を振りまいたことで、ミリタリーウェアは都会のストリートへと浸透していくことになる。
フライトジャケットでなくてもムートンレザーが使われたアウターは武骨でワイルドなイメージを持ち、例えば映画『ダークナイト ライジング』では、トム・ハーディ演じる強靭な肉体を持つヴィラン「ベイン」の衣装としてムートンレザーのアウターが採用されている。もこもことしたボアや手触りが柔らかいシープスキンにも関わらず、柔和な印象ではなく男らしいイメージを持っているのは、ミリタリー的な背景がかなり強く影響していると言えるだろう。
Tom Hardy, 2012 : THE DARK KNIGHT RISES, Tom Hardy, 2012. ph: Ron Phillips/ (c) Warner Bros./Courtesy Everett Collection(写真:Everett Collection/アフロ)
ここからは、ムートンジャケットを着たメンズコーデ事例を紹介!
ムートンジャケット 最新コーデ1王道ジャケパンスタイルをムートンジャケットで個性派シフト
ネイビージャケットにグレースラックスというベーシックなジャケパンスタイルに、ムートンジャケットをオン。シンプルな王道ジャケパンコーデにムートンジャケットという変化球を合わせることで、チェスターコートやステンカラーコートなどの直球とは違った個性的でエッジの効いた装いに。
ムートンジャケット 最新コーデ2全身をトーンオントーンでまとめたドレカジMIXスタイル
全身をベージュ、ブラウン系でまとめたトーンオントーンスタイル。スリーピーススーツとムートンジャケットというギャップが大きいドレス&カジュアルのMIXコーデだが、色に統一感があるため違和感なくマッチしている。ロング丈のムートンコートだと成金のようなイヤらしさを感じさせてしまう可能性もあるため、ドレススタイルに合わせるならショート丈がおすすめ。
ムートンジャケット 最新コーデ3すべてのアイテムで素材の質感に差をつけた黒コーデ
ネイビーのキャップ以外をオールブラックで。オールブラックコーデは適当に黒いアイテムを合わせたのでは、のっぺりとした見た目になってしまうこともあるため、それぞれの素材の質感でコントラストをつけるのがおすすめだ。たとえばこちらのコーデでは、リブ編みのハイネックニットにムートンジャケットをレイヤードし、ボトムスはブラックデニム、シューズはスムースレザーのブーツと、全てのアイテムで質感に差をつけることで奥行きのある合わせに。
ムートンジャケット 最新コーデ4アウトドアコーデをムートンジャケットで大人っぽく!
ニット帽にフリースジャケット、クラークスのワラビーと、アウトドア色の強いコーデの中に、ブラックのムートンジャケットを合わせてエレガンスを注入。カジュアル度がかなり高いコーディネートに大人っぽく落ち着きのある印象を与えている。
ムートンジャケット 最新コーデ5ソリッドなスーツをムートンジャケットで柔らかく中和
ソリッドなストライプ柄のネイビースーツに肉厚なムートンジャケットを合わせて柔らかさを出したスタイリング。ムートンジャケットはボアのふわもこ感とスエードの質感で、数あるアウターの中でも特に柔らかいイメージを持つアイテムだ。エレガントかつ柔和なイメージを出すならムートンジャケットを選択肢として検討してみてはいかがだろうか?
ここから下は2020年に公開したもの。こちらもぜひ参考にしてみてほしい。
アビエータータイプのムートンジャケットでモノトーンのメンスコーデを格上げ
メンズでは着丈短めのボンバージャケットが主たるスタイルのムートンジャケットだが、こちらの御仁は着丈長めのアビエーターコートタイプをチョイス。ギミックの多さを感じさせないパッと羽織った着こなしで、モノトーンのメンズコーデを格上げしている。ダブルライダースジャケットのデザインにも類似しているが、着丈が長く肉厚なムートンだけに大人っぽく着こなせるうえ、スタイリングの仕上がりもスマートだ。
ブラウンのムートンジャケットとネイビーアイテムを組み合わせメンズコーデをアズーロ エ マローネに
ネイビーのハイネックニットとネイビースラックスを合わせたコーデの軸に、艶やかでリッチな雰囲気を醸すブラウンのムートンボンバージャケットを羽織った冬の着こなし。イタリアの多くの伊達者が実践するアズーロエマローネの色使いで、艶ぽさとノーブルな魅力を両立した洒落感際立つコーディネートに。表裏とリブディテールが同色のムートンジャケットをチョイスすることで雑味のないラグジュアリーなムードを高めながら、カジュアルコーデを格上げしている。




























