革ジャン コーデ メンズ特集!ライダースジャケットやフライトジャケットから始まった歴史と着こなし事例を一挙に紹介

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革ジャン コーデ メンズ特集!ライダースジャケットやフライトジャケットから始まった歴史と着こなし事例を一挙に紹介

コーディネートをラギッドに味付けできる冬のメンズアウター「革ジャン」。その定番であるライダースジャケットやA-1、G-1などのフライトジャケットはその出自からも男くささが滲む。今回は革ジャンの歴史から始まり、主な型の解説、そして海外のストリートでキャッチした洒落者による着こなし事例を一挙紹介!

フライトジャケットとモーターサイクルジャケットの2軸で始まった革ジャンの歴史

革ジャンは、シープスキンから作られる軽量で柔軟なケープスキンレザーを使用した第一次世界大戦時のフライトジャケットが元祖とされている。当時はまだプロペラ機の時代であり、気密性の高い与圧式でなかったため高高度を飛行するとコックピット内は極寒となり、寒さに耐えうる耐久性の高い革製のフライトジャケットが開発されたというわけだ。その最初のモデルがアメリカ空軍の前身となるアメリカ陸軍航空隊が1927年に導入したA-1フライトジャケット。ラップアラウンドカラー、ウィンドフラップ、ぴったりとした袖口、ウエストバンドが特徴のいわゆる「ボンバージャケット」スタイルで、ジャケットのフロントはジッパーではなくボタンが採用されている。

時を同じく1928年には、1913年にIrvingとJackSchottの兄弟によって設立されたショット NYCがハーレーダビッドソンのために、世界初のモーターサイクルジャケットであるジッパーフロントの“パーフェクト”(Irvingが好む葉巻の種類にちなんで名付けられた)をリリース。このショットが開発した“パーフェクト”によりジッパーフロントジャケットの扉が開かれ、1931年にA-1フライトジャケットは操作性向上のためにジッパーフロントとポイントカラーを装備したA-2フライトジャケットへと進化を遂げる。そして第二次世界大戦中にアメリカ空軍からB-17およびB-24爆撃隊のためのジャケット製作を依頼されたショットは、A-2ジャケットで採用されていた袖口と裾のリブ編みウールを無くし、重いムートンの毛皮を裏地に使用し襟にバックルを装備したフルレザー構造のB-2ジャケットを開発した。

また、余談ではあるが革ジャンのイメージが強いショットはこの時期イギリス海軍が使用していたメルトンウールのPコートを改良してアメリカ海軍に提供。以降60年間ミリタリーウェアを生産し続けている。

革ジャンの種類

革ジャンの種類①「ライダースジャケット / モーターサイクルジャケット / バイカージャケット」

ライダースジャケットは、オートバイに乗るために防寒性とプロテクションを追求しデザインされた革ジャンだ。1928年に「Schott(ショット)」がリリースしたモーターサイクルジャケット“パーフェクト”が元祖であり、ファッション的には1953年に公開されたマーロン・ブランド主演のアメリカ映画『乱暴者』(原題:The Wild One)によって絶大な人気を獲得する。しかしギャングカルチャーと彼らが象徴するアウトサイダー的なイメージ、反抗的なティーンのステレオタイプを恐れた全国の学校制度が学生にレザージャケットの着用を禁止したため、ライダースジャケットの売り上げはこの時期に急速に下落。しかしその約1年後の1955年9月、革ジャンの人気と密接に関係しているアメリカンクールのアイコンであるジェームズ・ディーンが、デビューからわずか半年後に自動車事故によって24歳の若さでこの世を去り、ライダースジャケットはジーンズと共にユースカルチャーの不滅のアイコンとなった。

そしてライダースジャケットの人気は50年代から60年代まで続き、フランスでは当時ディオールのデザイン責任者だった24歳のイヴサンローランがビートニクにインスパイアされたランウェイコレクションの一部としてライダースジャケットをフィーチャー。モードにおけるブルゾンノアール(仏: blouson noir)の流行へと発展する。さらに1970年台半ばに台頭したパンクムーブメント、ロックミュージックに密接に関連することで、保守的なファッションに対するカウンターとして広く認知されることとなる。※ちなみにジェームズ・ディーンの出演作に革ジャンを着ているシーンはないが、オフではショットのファー襟付き“パーフェクト”を愛用し、雑誌『LIFE』の“James Dean: A Rebel’s Life in Pictures”号の表紙ではダブルライダースを着用した彼の姿が確認できる。

ライダースジャケットの種類①「ダブルライダースジャケット(アメリカンタイプ):アメリカンジャンパー、通称アメジャン」

フロントファスナーが非対称のダブル仕様となったライダースジャケットで、ルーズフィットで丈が短く裾にウエストベルトを装備している。

Schott(ショット)の613

ライダースジャケットの種類②「ダブルライダースジャケット(ブリティッシュタイプ):ロンドンジャンパー、通称ロンジャン」

フロントファスナーが非対称のダブル仕様となっているが、アメリカンタイプとは異なりスリムフィットで丈が長く裾にウエストベルトはついていない。

JAMES GROSE(ジェームスグロース)のニューマニラジャケット

ライダースジャケットの種類③「シングルライダースジャケット / カフェレーサージャケット」

フロントファスナーがほぼ中央につけられており、デコラティブなダブルライダースに対して極めてミニマルなデザインが特徴。

VANSON(バンソン)のBジャケット

革ジャンの種類②「フライトジャケット / ボンバージャケット / アビエータージャケット」

パイロットのための装備服として開発されたフライトジャケット。ジェット機以前のプロペラ機の時代にはレザー素材が主力であり、一般的に第二次世界大戦時におけるアメリカ軍のパイロットや爆撃手たちの飛行服を指す。前述の通り、上空を飛行中の戦闘機のコックピット内は極寒であり、パイロットがその寒さに耐えるためには防寒性能を極限まで高めたジャケットが必要であった。その需要に応えるべく生み出されたのがレザー製のフライトジャケットである。時代によってその形は少しづつ変化してきた。ここではレザー製のフライトジャケットから代表的なモデルを抜粋して紹介!

フライトジャケットの種類①「TYPE A-1ジャケット」

シープスキンから作られる軽量で柔軟なケープスキンレザーを使用した第一次世界大戦時のフライトジャケット。革ジャンの元祖と言えるクラシックな名品だ。

A-1 フライトジャケットを探す

フライトジャケットの種類②「TYPE A-2」

アメリカ空軍の前身となるアメリカ陸軍航空隊のフライトジャケット。

A-2 フライトジャケットを探す

フライトジャケットの種類③「TYPE G-1」

トム・クルーズ主演の映画『トップガン』で一躍脚光を浴びたG-1ジャケット。陸軍のA-2と双璧を成すアメリカ海軍のフライトジャケットだ。AVIREXなどのブランドからはトップガンモデルが展開されている。

G-1 フライトジャケットを探す

フライトジャケットの種類④「TYPE B-3」

高高度の極寒から爆撃機パイロットおよび搭乗員を守ったボマージャケットの代名詞。

B-3 フライトジャケットを探す

革ジャンを使ったメンズ冬コーデを紹介!

革ジャンのダブルジップの強みを活かした着こなしで抜けとシルエットを演出しこなれ感たっぷりのスタイリングに

シングルライダースタイプの革ジャンに装備されたダブルジップの強みを活かし、胸元とウエストにほど良い抜けを作りながら、腰回りから腿にかけてゆとりを持たせたスラックスのルーズなシルエットを際立たせ。ともすると単調に見えたりキメ過ぎ感を誘いがちなオールブラックのワントーンコーデを、抑揚のあるシルエットとナイスな抜けでこなれ感たっぷりの仕上がりに。

BULLY(ブリ―) 革ジャン シングルライダースジャケット

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B-3タイプの革ジャンとベージュのチノパンを合わせた骨太感のあるメンズコーデに柄スカーフで華やぎをプラス

武骨で骨太感のあるスタイリングをB-3タイプの革ジャンとベージュのチノパンで表現し、カラフルな大判の花柄スカーフで華やぎをプラス。ミリタリーなムードが野暮ったさを誘わないようスカーフを差し込みながら、ファー使いしたトレッキングシューズの足元で毛色の異なるニュアンスを添えヒネリを効かせた着こなしに。男らしさと艶やかさ、ハードさとマイルドさの対比が絶妙だ。

GARRETT (ギャレット) 革ジャン B-3ボマージャケット

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男らしさとキレイめな印象を両得したダブルライダースタイプの革ジャンコーデ

装飾的なディテールを削ぎ落としたダブルライダースタイプの革ジャンとくるぶし丈に調整したテーパードスラックス、素足履きしたタッセルローファーでメンズコーデに男らしさとキレイめな印象を両得。この手のダブルライダースなら大人もコーデに取り入れやすく、キレイめなこなしに最適だ。ネイビーでまとめたコーデの軸と、黒でまとめた革モノのメリハリの付け方もスマートなことこの上なし。

TAGLIATORE(タリアトーレ) 革ジャン ダブルライダースジャケット

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G-1タイプの革ジャンでクラス感を演出しオールブラックでまとめた冬の装い

上質なレザーの質感がラグジュアリーな雰囲気を醸すG-1タイプの革ジャンに、ダメージ加工を施した黒ニットとブラックデニム、黒のブローグブーツを合わせたコチラの御仁。革ジャンとブーツでクラス感を演出しながら、エッジの効いたニットとデニムでクールな大人のスタイリングを表現している。ブラックのワントーンコーデでありながら単調さを感じないのは、ファーとスムースレザーの質感が際立っているから。

DOLCE & GABBANA(ドルチェ&ガッバーナ) 革ジャン G-1フライトジャケット

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ミリタリーなG-3タイプの革ジャンコーデをモードな味付けでアップデート

ともすると武骨になりがちなG-3タイプの革ジャンを黒でまとめたコーデの軸とトラウザーズに装着した大きめのハーネス、シルバーチェーンやチャンキーソールの黒スニーカーでモードに味付け。シルバーチェーンとレザーストラップでエッジを効かせ、テーパードシルエットや絶妙な丈感、スタイリッシュなシルエットのバランスで今感たっぷりの着こなしを構築している。安易にオールブラックにまとめることなく、革ジャンの存在感も際立たせたアイテム選びがお見事。

Golden Goose(ゴールデングース) 革ジャン B-3ボマージャケット

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パンツとスニーカーで一体感を演出し革ジャンの存在感を際立たせたブラックコーデ

黒のテーパードパンツとナイキ×アンブッシュのエアマックス180ソックススニーカーのペアリングで一体感を演出し、G-1タイプの革ジャンの存在感を際立たせ。革ジャンのボリュームに同調するシューズ選びが常道だが、バランスよりも軽やかさを優先させた足元の演出が新しい。縦長ラインを強調するよう襟を立てた革ジャンのこなしも見逃せない。

HUGO(ヒューゴ) 革ジャン G-1フライトジャケット

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キャメルのカシミアニットをインナー使いし革ジャンの武骨さを抑制した大人の着こなし

大人が着ると意図せぬやり過ぎ感が醸されがちなダブルライダースタイプの革ジャンに、上品なキャメルのカシミアニットを合わせることで武骨さを抑制。黒ソックスを強調するようくるぶし上までロールアップしたスリムパンツと白スニーカーでナードな足元を演出し、新鮮なバランス感の着こなしに。

ALEXANDER MCQUEEN (アレキサンダー・マックイーン) 革ジャン ダブルライダースジャケット

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デニムシャツのチラ見せで単調さを解消したオールブラックの革ジャンコーデ

黒ニットのクルーネックと裾からデニムシャツをチラ見せして単調さを解消し、クールに仕上げたオールブラックの革ジャンコーデ。オフホワイトのインダストリアルベルトをフロントに垂らせてストリート感を演出しながら、ミニマルな中にも今感のあるスタイリングに。革ジャンのシンプルさに呼応させたサイドゴアブーツのチョイスが心憎い。

 

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