世界有数のミリタリー・ファッションブランド「AVIREX(アヴィレックス)」。当時のモデルを忠実に再現したモデルから、ファッション性の高いデザインを落とし込んだウェアまで展開し、幅広い世代から高い評価を得ているブランドだ。今回は、そんなアヴィレックスのなかでも随一の人気を誇る「MA-1」シリーズにフォーカス。ミリタリーファッションを語る上で知っておくべきアヴィレックスの深い歴史とともに、人気MA-1モデルの特徴を解説！
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「AVIREX(アヴィレックス)」は、アメリカが誇るミリタリー・ファッションブランド
元法律家であったジェフ・クライマン氏が航空機に魅了され、彼の中のヒーローである飛行家(アヴィエイター)達の役に立ちたいと考えたことから、1975年にアメリカにて設立された「AVIREX(アヴィレックス)」。アメリカ空軍のコントラクターとして発足し、パイロットたちの第二の皮膚でもある機能性に優れた数多のミリタリーウェアを納品してきた歴史のあるブランドだ。アヴィレックスの由来は、大空に思いをはせた飛行家“アヴィエーター”を称える“アヴィレックス(空の王様)”。軍服をファッションアイテムとして世に広めたブランドでもあり、映画「インディー・ジョーンズ」「トップガン」「メンフィスベル」などの有名映画で着用されていることでも知られている。
アヴィレックスのミリタリーウェアが本格派に選ばれ続ける理由は、フライトジャケット誕生ストーリーにアリ！
ブランド名からもお察しの通り、アヴィレックスの鉄板モデルはフライトジャケットだ。当時ジェフ氏がフライトジャケットの製造で追求したのは、第二次世界大戦時に着用されていたものとまったく同じ完璧なクオリティ。フライトジャケットの歴史を知るべく、ビルマ戦争、朝鮮戦争、ベトナム戦争の強者たちに会うため米国中のエアーショウに足を運び、当時のジャケットを忠実に再現することに時間を費やしたという。
各戦争の強者たちは、戦時中に実際に着用された“伝説のフライトジャケット”を所有しているだけでなく、当時の歴史をも物語ることができた人物。そんな強者のリアルな情報をもとに、ひとつひとつのステッチやデザインを可能な限り当時の軍服と同様に再現することを追求した。第二次世界大戦で勝利を掴んだアメリカの心とスピリッツに敬意を表していたアヴィレックスは、当時の完璧なフライトジャケットの再現によって瞬く間に多くの人々からの信頼を勝ち取り、世界有数のミリタリーブランドとしての地位を確立することとなる。
フライトジャケットをファッションアイテムとして世に広めたのもアヴィレックス！
その後「多くの機能を持ち合わせたフライトジャケットを沢山の人に知ってほしい」という思いから、タウンユースアイテムとしても展開。単なるファッションアイテムとしてだけでなく、歴史を感じさせるこだわりも他ブランドと一線を画し注目されることとなった。1987年には米国空軍生誕40周年、1997年には50周年を記念したA-2ジャケットを限定納入するなど、今なおアメリカ国空軍への敬意を持ち続けているところも、このブランドが深く愛され続ける理由だ。
ミリタリーアイテムの定番「MA-1」とは？
アヴィレックスのMA-1を紹介する前に、MA-1というジャケットがどういったものなのかをおさらいしよう。まず「MA-1(エムエーワン)」とは、フライトジャケットの一種。アメリカ軍にて採用されていたジャケットのひとつで、もっとも多くのパイロット達が着用したモデルと言われている。軍用機の変更により、今までの革製のフライトジャケットでは水分が氷結しパイロットの妨げなることから、ナイロン製のフライトジャケットが考案され、1950年初頭に製造されたB-15の後継モデルとして生まれたのがこのMA-1だ。
狭い軍用機の中でも動きやすいよう配慮されたシンプルなデザインと、航空機の座席に座った際に後ろ身頃が挟まれないよう前身頃よりも短くなったパターン設計が特徴的。地上でのカモフラージュのため、表生地には自然に溶け込む落ち着いたセージカラーを採用している。またミルスペックによっては、脱出または墜落した際に救出部隊に発見されやすくするために、内側にエマージェンシーカラーのオレンジを配しているモデルも。着用のしやすさと機能性が話題を呼び、アメリカ空軍だけでなく、後にアメリカの海軍、陸軍もMA-1を着用することとなり、1950年代から1980年代にかけてMA-1がフライトジャケットの定番となったのだ。
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