ジャケットやシャツのボタン合わせが”男女で逆”なのはなぜ?

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われわれが、ふだん何気なく着ているスーツのジャケットやシャツ。男性用と女性用では重ね方やボタンとボタンホールの位置関係が反転していますが、その理由が気になったことはありませんか?今回はちょっと意外な理由について紹介していきたいと思います。

利き手と中世ヨーロッパ貴族の習慣に由来がある!?

そもそもボタンは古代ギリシャ時代に装飾品として誕生しました。当初はボタンホールで留める仕組みはなく、それから2000年以上の長きにわたって完全なる装飾品として衣服のあらゆる箇所に取り付けられてきました。中世ヨーロッパの宮廷服においては「フロントボタンだけでも30個以上のボタンがついている」なんていうこともザラだったといいます。今の洋服のように、ボタンホールにボタンをひっかける細工が考案されたのは13世紀から14世紀のヨーロッパの宮廷服においてだと言われています。

Marie Antoinette

ボタン付きの服は、縫製に手間のかかるので当時とても高価で、宮廷に出入りするような上流階級の人間しか身につけられたかったといいます。当時のヨーロッパの上流階級の一般的な習慣として、男性は自分で服を着替えていましたが、女性は自分では着替えず使用人にやらせるのが普通でした。

男性は自分で着替えやすいよう、女性は使用人が着替えさせやすいようにボタンとボタンホールが配置されたというわけです。(右利きの人も左利きの人もあまり意識したことはないかもしれませんが、ボタンホールを利き手で固定して、利き手ではない方の手でボタンをはめる動作は、実は結構やりにくい動作。)

注文服文化の当時においても、右利きの人が圧倒的に多かったので右利きの人に都合が良いような仕様が一般化していったというわけです。

Suzanne Tenner / FX

同じ理屈で「男性が女性の服を脱がしやすいように..」なんていう、ちょっとした口説き文句に使えそうな説?もありますのでおさえておくと良いかもしれません!

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